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こけら落としの意味は?どういう時に使うの?一般でも使うの?

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「こけら落とし」という言葉を耳にしたことがある方は多いと思いますが、それが何を意味するのかご存知ですか?

漠然と「何かが新しく出来たときに使われる言葉」というイメージがあるのではないでしょうか?

ここでは「こけら落とし」の意味と使い方について解説します。

 

こけら落としの意味は?

「こけら落とし」とは、一般に新築の劇場で最初に催される公演のことをいいますが、なぜそのようにいわれるようになったのでしょうか。

まず「こけら落とし」の「こけら」の意味ですが、これは木材を削ったときに出る木屑(きくず)を指します。

 

なぜ木屑を「こけら」と呼ぶようになったのか、その由来については定かではありませんが、一説では、魚の鱗を「こけら」といい、それに似ていることから「こけら」と呼ばれるようになったといわれています。

そして、日本には「こけら葺(ぶき)」と呼ばれる独自の屋根技法があります。

 

これは「こけら板」と呼ばれる木の板(サワラなどを使う)を重ねて並べ、下から上へと竹釘で止めていく技術で、その起源は飛鳥時代にまで遡るといわれます。

現在に残る多くの重要文化財の建築物で使われており、古来から受け継がれてきた伝統技術です。

 

この技法は、江戸時代に歌舞伎場の屋根にも使われていました。

その工程の最後に、残った木屑をきれいに払い落とすことから、劇場の完成後に初めて行われる最初の興行を「こけら落とし」と呼ぶようになりました。

 

ちなみに、「こけら」は漢字では「杮」と書きます。一見すると「柿(かき)」と同じようですが、実は旁(つくり)の部分が違います。

柿(かき)は木偏に市場の「市」と書きますが、杮(こけら)は木偏に「一」、次に「巾」を書き、縦棒が一本で「一」を貫きます。

 

昔から柿(かき)と杮(こけら)は混同されてきましたが、最近は両者の違いを明確にする記述が目立つようです。

 

どういう時に使うの?

近年では、2013年に歌舞伎座が建て替えられた際に「来月こけら落としを迎える銀座の歌舞伎座」などという言葉がテレビからよく流れていたこともあり、「こけら落とし」というと歌舞伎を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

前述したように「こけら葺」は、江戸時代に歌舞伎場でも使われていました。

 

元々は、舞台や一部客席を除いて晴天の下で催されていた歌舞伎でしたが、江戸時代に幕府から舞台、客席全てを屋根で覆う全蓋式(ぜんがいしき)の劇場が許可され、こけら葺、そして瓦屋根へと移っていきました。

その名残から、歌舞伎では「こけら落とし」を「杮葺落(こけらおとし)」と表し、2013年の新歌舞伎座の初日から1年間の公演を「杮葺落興行」としていました。

 

「二枚目」「三枚目」「十八番(おはこ)」「正念場」など、歌舞伎から生まれた言葉はたくさんありますが「こけら落とし」もその一つといえるでしょう。

そのため、歌舞伎の公演で使う言葉という印象が強いかもしれませんね。

 

一般でも使うの?

現在では「こけら落とし」という言葉は歌舞伎だけではなく、新しくできた施設の完成を祝う際に幅広く使われています。

例えば、歌手の美空ひばりさんが1988(昭和63)年に開場した東京ドームで行ったこけら落とし公演は有名です。

 

また、最近では2017年3月に「IHI ステージアラウンド東京」という新劇場が豊洲にオープンしましたが、そのこけら落とし公演を、日本でも有数の人気を誇る「劇団☆新感線」が2018年2月まで上演することが話題となりました。

その他にも、ライブハウスがオープンした初日を「こけら落としライブ」と呼んだり、屋外の野球場のオープン戦に「こけら落とし」という言葉が使われることもあります。

 

屋根の木屑を払い落とすという語源から、屋外の建築物に「こけら落とし」という言葉が使われるのは適切ではないという指摘もありますが、様々な言葉がそうであるように、時代に合わせてその意味する範囲も広がっていくのかもしれません。

こけら落としは、歌舞伎では「寿命が延びるほど縁起がいい」といわれるようですから、一度足を運んでみるのもいいかもしれませんね。

 

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